Hans J. Wegner (ハンス・J・ウェグナー) 1841年〜2007年
ハンス・J・ウェグナーは靴職人の息子であり、手工芸技術の大切さを学びながら育ちました。H.F.ストールベリの工房で大工の修行をし、兵役を終えた後、1936-38年までコペンハーゲンの工科大学で学びました。1938年にはエリック・モラーとフレミング・ラッセンの仕事をし、1940年にアルネ・ヤコブセンらと共にオルフス市庁舎の設計に取り組み、そこにシンプルでありながらしっかりとした家具をデザインしました。1943-46年までオルフスで自分のデザイン・スタジオを経営し、1946-48年までコペンハーゲンでパラ・スエンソンと共同経営の事務所を運営しました。1940年からウェグナーは家具職人のヨハネス・ハンセンとも仕事をし、「ザ・チェア」(1949年)をはじめ、ハンセンの製造会社の椅子を数多くデザインしました。そして1950年代にはスカンジナビアのデザインの第一人者にまでなりました。大部分が木だけでできた絶妙なバランスの美しく手作りされた椅子は国際的に高く評価されました。これらはヨハネス・ハンセン、フリッツ・ハンセン、アンドレアス・タック、A.P.ストレン、カール・ハンセン、PPモブラーなどの会社が製造しました。ウェグナーのスカンジナビア的特徴を示す有機的なデザインは「チャイニーズチェア」(1943年)、「ピーコックチェア」(1947年)、「Yチェア」(1950年)、「ヴァレットチェア」(1953年)が示すように、モダンムーブメントの幾何学的形式主義に一石を投じました。ウェグナーはフォルムと構造を簡素化し、多くの伝統的な家具を美しく現代的な家具へリ・デザインしました。